IC7610で急にFT8の送信ができなくなった
IC7610で急にFT8の送信ができなくなった。それまでは、交信で来ていたので面食らった。
原因と対策は、つぎのとおりだったらしい….ChatGPT5thinkingで解決。
了解。いまの症状は PTT は動くがリグに音が入っていない 状態が濃厚です(=キャリアが出ない)。
添付の WSJT-X 設定を見ると モードが「指定なし」 になっており、送信オーディオ入力端子の指定が無効のままです。まずここを確実にデータ運用用に揃えましょう。
すぐやること(最短復旧)
- WSJT-X → 設定 → 無線機(Radio)
- モード:Data/Pkt(←重要)
- 送信オーディオ入力端子:後面/データ端子(←重要)
- PTT方式:CAT、Split:None か Rig
- WSJT-X → 設定 → オーディオ
- 入力:Microphone (USB Audio CODEC)
- 出力:Speakers (USB Audio CODEC)
- (数字付き “2- …” など候補が複数ある場合、USBを抜き差しして消える/現れる方を選択)
- Windows の音量を確認
- 右下スピーカー → 音量ミキサー → WSJT-X と Speakers (USB Audio CODEC) の音量を上げ、ミュートを解除。
- WSJT-X の Pwr スライダー が 0 になっていないか確認。
- IC-7610 の設定確認(MENU→SET→Connectors)
- 変調入力(DATA1)=USB
- USB 変調入力レベル:40–60% 目安
- 画面左VFOが USB-D1 になっており TX が左側に出ることを確認。
- WSJT-X の [Tune] を押し、7610 の Po が出るか、ALC がほぼ振れない程度になるよう調整。
まだ出ないときのチェックリスト
- アプリの取り合い:Zoom/Teams/Voicemeeter など、オーディオを掴むアプリはすべて終了。
- 独占モードをOFF:
サウンド設定 → 「サウンドの詳細設定」→ 再生/録音デバイスのプロパティ → 詳細 → 「アプリに独占を許可」をオフ。 - デバイス取り違い:オーディオタブで一度ほかのデバイスに切り替え→元に戻す。
- DUALWATCH 関係:TX 表示が狙いの VFO 側にあるか(TX が右側に行っていると出ません)。
- RF POWER つまみが 0 になっていないか。
- USB ケーブル/ハブを直結の良質ケーブルに交換。
- CP210x の COM 番号が変わっていないか(CAT/PTT は緑でも、別アプリが同じ COM を掴むと不安定になります)。
正常時の目安
[Tune] で TX 点灯+Po が出る/ALC はほぼ 0〜わずか。
これになれば、FT8 送信は復帰です。
まずは Radio タブを「Data/Pkt + 後面/データ端子」に変更して再確認してください。これで復帰するケースがほとんどです。
復活よかった!
結論から言うと、「Split=None」だと WSJT-X は“音だけで周波数を振る”方式なので、TX のオフセット(赤い棒)が送信ベースバンドの外側に出ていたため、7610 の DATA1 送信帯域(例:100–2900 Hz)で切り落とされ、PTT は入るのに Po が出なかった、というのがいちばん筋が通ります。
一方 **「Split=Rig」**にすると、無線機側の周波数を CAT で少しだけ動かして、音声トーンを常に 1500 Hz 付近に保つので、帯域の外に出ず正常にキャリアが出ます。
仕組みの違い(ざっくり)
- Split=None
ダイヤル周波数は固定。WSJT-X が 0–4 kHz のオーディオトーンで周波数を作る。
→ 0 Hz 近辺や 3 kHz 以上などフィルタ端に行くと、リグの TX フィルタで大きく減衰/無音扱いになりがち。 - Split=Rig
ダイヤルを CAT で微調整(A/B スプリット利用)。オーディオは常に 1500 Hz くらいで送る。
→ フィルタ外に出ないので確実に Po が出る。DualWatch 時の「TX 側取り違い」も起きにくい。
なぜ今回「None だと出なかった」のか(考えられる要因)
- うっかりクリック等で TX 赤バーが 0 Hz 〜 数十 Hz/3 kHz 付近に行っていた。
- 7610 の DATA1 TX フィルタがやや狭め(例:300–2700 Hz)になっていて、端で削られた。
- DualWatch 中にTX フォーカスが別 VFOに移っており、そちらのフィルタ設定の影響を受けた。
(Split=Rig は TX パスを明示するため、こうした取り違いを回避しやすい)
再発させないために
- Split=Rig のまま運用(ICOM 機では推奨)。
- None を使う場合は、TX 赤バーを 1200–1800 Hz 付近に保つ(右クリックで移動)。
- 7610 の DATA1 送信帯域を広め(例:100–2900/3000 Hz)に。
- DualWatch 時は TX がどちらの VFO かを表示で確認。
要は、**「音が帯域外に出てしまっていた → Rig スプリットで常に帯域内に戻せた」**という理屈です。これで腑に落ちるはず。
なるほど。「触っていないのに急に送信できなくなった」のに Split=Rig にしたら復活――この組み合わせから推せる原因は次のいずれかです(=どれも Split=None だと起こりやすく、Split=Rig にすると回避されます)。
起きた可能性が高いこと
- TX 赤バー(送信トーン周波数)が端にズレた
WSJT-X は Split=None のとき、オーディオのトーン(0〜3kHz)だけで周波数を作ります。
赤バーが 0〜200Hz 付近や 2800Hz 以上へ“うっかりクリック”で移動すると、
IC-7610 の DATA1 送信帯域から外れてリグのフィルタに落ち、Po が出ません。
→ Split=Rig はリグの周波数をCATで少し動かし、常に 1500Hz 付近の安全地帯で送るため復活。 - IC-7610 側の DATA1 送信帯域(Lo/Hi カットや FIL 幅)が狭くなった
FIL1/2/3の切替、Lo/Hiカット、帯域幅ノブの誤操作、バンド/モード切替時のメモリ差などで
DATA1 の TX パスが 300–2700Hz などに狭まることがあります。
赤バーが端にあると同じくフィルタで削られます。
→ Split=Rig は 1500Hz なので帯域内に戻り、出力が出ます。 - DualWatch/スプリットで TX の“側”が変わった
A⇄B の TX フォーカスが別VFOに移ると、そちらのフィルタ条件に引きずられたり、
USB-D でなくUSB(音声)側に寄ってしまい無変調になることがあります。
→ Split=Rig は WSJT-X が明示的に TX 側/VFO を指定するため、取り違いが起きにくい。
逆に、オーディオデバイスの故障・ミュート・COM断などが原因なら Split を変えても直りません。
「Split=Rig にしたら直った」という事実は、**オーディオは来ていたが“帯域やVFOの都合でミュートされていた”**ことを示唆します。
再発防止の実用策
- Split=Rig のまま運用(ICOM機では安定)。
- None を使う場合は
- 赤バーを 1200–1800Hz に置く(右クリックで移動)。
- IC-7610 の **DATA1 送信帯域を広め(例:100–2900/3000Hz)**にしてメモリ保存。
- DualWatch時は TX がどちらのVFOか常に確認(画面の “TX” 表示)。
- 7610 の DATA1 MOD=USB を維持、Lo/Hi カットや FIL 幅を不用意に触らない。
要するに、あなたは設定を意識的に変えていなくても、
「赤バーの微小な移動」「FIL/Lo-Hiカットの記憶・誤操作」「TX側の取り違い」などの小さな変化で帯域外に出てしまったのが原因。
Split=Rig は常に帯域の真ん中で送るので、こうした要因を一気に回避できた、というわけです。